胸の奥の懐かしさと、思い出と、感傷を乗り越えて

「ホント、あり得ない光景だよな。渋谷って」
ここは、いつ来ても異空間の中に迷い込んでしまったような感覚を覚える。
 渋谷から旗の台までは乗り継いでも三十分と掛からなかった。ホームタウンに戻って来た途端に肩の力が抜け、何とも言えない安心感が私達の全身を包んだ。
「やっぱり地元が一番良いよな」
 私は複雑だった。先々の事を考えると、もう昔のようには開き直れない。
「また、戻って来れるよね?」
 ふとした私のひと言に、M・TとN・Tは粛々と怪訝な表情を浮かべた。
「何言ってんだよ。現に今、戻ってきてるじゃねーか」
「道場を出てからってことだよ」
「いつの話だよ。とりあえず、飯行くか」
 よっぽど腹が減っていた所為か、N・Tは余韻に浸る隙ひとつ私に与えてはくれなかった。腕時計に目をやると、時刻は既に三時半を回っていた。N・Tに促されるまま、解散前に私たちは駅前の行きつけのラーメン屋に立ち寄り、一足遅めの昼食を摂ることにした。サンスター青汁amazon